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飼っていたペットに飼われています。
第50章 DEEP BLUE 上(サキ目線)

スイも私も知っている思い入れのある場所。
両親と住んでいた家、よく遊んだ公園、2人が再会したあのアパート…。
色々な場面が浮かんでは消える。
だけど、サキの中でここだと強く感じた場所はただひとつだった。
スイと出会った、あの湖。
幼い頃1度行ったきりのあの場所がどこなのか、亡くなった両親に聞くことも出来ず、記憶の中のその場所と全国のキャンプ場にある湖の写真を見比べ続けて、実際に辿り着いた頃には季節は冬を迎えていた。
電車とバスを乗り継いで山を登り、キャンプ場へ入るとそこは既に雪に覆われていて人の気配は全くない。
ーー冷静に考えればこんな所にスイがいるわけないよね。
日も暮れてきて一刻も早く山を降りなければ危ないと頭では判っていたが、あの湖がどうしても見たいと歩を進めた。
ようやく目にしたその場所には月の光が煌々と差し込み、ユラユラ反射しながら輝いていた。
両親と住んでいた家、よく遊んだ公園、2人が再会したあのアパート…。
色々な場面が浮かんでは消える。
だけど、サキの中でここだと強く感じた場所はただひとつだった。
スイと出会った、あの湖。
幼い頃1度行ったきりのあの場所がどこなのか、亡くなった両親に聞くことも出来ず、記憶の中のその場所と全国のキャンプ場にある湖の写真を見比べ続けて、実際に辿り着いた頃には季節は冬を迎えていた。
電車とバスを乗り継いで山を登り、キャンプ場へ入るとそこは既に雪に覆われていて人の気配は全くない。
ーー冷静に考えればこんな所にスイがいるわけないよね。
日も暮れてきて一刻も早く山を降りなければ危ないと頭では判っていたが、あの湖がどうしても見たいと歩を進めた。
ようやく目にしたその場所には月の光が煌々と差し込み、ユラユラ反射しながら輝いていた。

