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イケないキミに白い林檎を
第1章 浮気
「風子、おまえ束縛しすぎ。重いんだけど」
「……そうだよね。……ごめん」
颯太は私より恋愛経験がずっと豊富。
一方、私は初心者。
恋愛はネットや漫画やドラマで知識を補ってきた。
つまり、現実を知らない。
だから颯太の言った通り私が間違ってる……
間違ってる……のかな。
どんより沈んでいる私を他所に、颯太の視線はずっとスマホの方だった。
「誰とやり取りしてるの?」
「同期だ。仕事の話してんの」
「ふーん……」
付き合った当時は、毎日のように会って体を重ねていた。
でも半年くらい経ってから会う頻度も減っていって。
今は颯太の仕事が忙しいから、週に一回会えればいい方。
社会人と学生だから、時間に余裕の差があるのは仕方ない。
本音を言えば寂しいからもっと会いたい。
だけど拒否されるのが怖くて、こんな我が儘は言えなかった。
付き合って二年を少し過ぎた頃。
この時から何かズレを感じていた。