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イケないキミに白い林檎を
第6章 反覆
「やっぱり、バレてましたか」
「もう一度会いたい?」
「それは……」
会えることなら会いたい。
だけど簡単に口に出せるほど容易なことではない。
「二人で話し合いがしたかったんだけど、他の女に邪魔されてできなかった。そのせいで、今も颯太に未練がある……とか?」
「そうです。もっと早く向き合っていれば良かったって後悔していて。
あと玲亜さんがいたから、颯太の本当の気持ちを聞けなかった。……だから忘れられないんです」
「颯太のことを無理に忘れようと思うから、忘れられないんだよ」
当たっている。
忘れようと思うほど、記憶を掘り起こすきっかけになる。
「でも大丈夫です。きっと時間が経てば諦められます。そんなに心配しなくても、私は前を向いて歩けますから」