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イケないキミに白い林檎を
第6章 反覆
「とりあえず、今は次の恋をしようって思ってます。心配されないようにいい男を探してゲットしますから見ていて下さいね!」
未練があるけど、少しずつ前に向かって歩いているのは事実であることから意気揚々に答えた。
「他の男なんていらないだろ」
「え……」
隣にいるソラ先輩を見上げると、ピタリと目が合う。
キスをするくらいにどんどん距離を縮められてすごくドキドキした。
緊張して目を閉じると、ソラ先輩のおでこが私のおでこに軽く触れる。
「……俺がいるよ」
私にだけ届くように小さく出した優しくて心地の良い低い声。
なぜか分からないけど、冷めていた体の奥に小さな炎が燈るように心が温かくなる。
これは先輩として言っているんだろうか……。
それとも……
「――――風子ちゃん」