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イケないキミに白い林檎を
第7章 分陰
土曜日の夜。
女友達に誘われて何となく入ったサッカーサークルの飲み会に行く。
新たに参加した私と女友達のために歓迎会を開いてくれるようだった。
車が通れない路地を進んだ所にあった居酒屋でその飲み会が開かれた。
サークルのメンバーは八人でチャラそうな人が多め。
なぜか女は、友達と私だけでとても緊張する。
卒業した高校は元男子校で男子が多い環境で過ごしてきたけど、男慣れしているわけではない。
だから女友達が隣にいることが唯一の救いだった。
乾杯をする前。
自信満々な女友達がメンバーの前で自己紹介をする。
そして私の番が回ってきた。
「いっ……、一年の乙羽 風子です。……よろしくお願いします」
サークル以外の客もいて店内がガヤガヤとしている中、通らない声で自己紹介をする。
それでもサークルの人たちは拍手をして温かく迎えてくれて、なんとか恥ずかしい時をやり過ごした。