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イケないキミに白い林檎を
第2章 追求
次の日の学校帰り。
私は駅前広場のベンチに深刻な顔をして座り、スマホを取り出してある人に電話を掛けた。
『風子ちゃん、どうしたのー?』
電話が繋がると高音で呑気な声が向こうから聴こえてきた。
「この前会った時のこと聞きたいんだけど……。ファミレスを出て解散した後のこと」
『え?バイバイって言ったあと?』
「そう。あの後、私は誰と一緒にいたのか知ってる?」
電話をしている相手は、事件が起きる前にファミレスに一緒にいた男子の一人。
同級生の大地くん。
高校三年間同じクラスで同じ部活だったから女友達のように話しやすい。
『自分のことなのに忘れてるの?相変わらずドジだねー。ボクはあの後、すぐタクシーに乗って帰ったから知らないよ』
「そっかぁ……」
『変なこと疑わないでよね。大体、風子ちゃんのこと女と思ってないし』
「私だって大地くんのことを男として見てない。寧ろ見れない」