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イケないキミに白い林檎を
第8章 仕置き
「苦しくなんか……」
……ない。
二人とも私を二番目じゃなくて、一番の女として求めてくれる。
恋人になる気配はないけれど、体を差し出すのは嫌ではなかった。
でも何とも言えない虚しさだけはいつも残る。
楽しくないのに、楽しいと思い込ませようとしている偽物の自分がいて。
本当の私は、何をやってるんだろうなって呆れながらそれを見ている――――
「乙羽さんのやっていることは、傷ついた自分を余計に傷つけてるだけだろ。もういじめるのはやめなよ」
痛いところを突かれて、胸が苦しくなってきて涙が浮かんでくる。
“自分で自分を傷付けている”
意識的にやっているわけではないけど、誰かに言われてズキッとくるのだからそうなんだろう。
「だって、これしかないんです!私の存在を認めてくれて、失恋の傷を埋められる簡単な方法が。
大体、ソラ先輩には分からないですよ。愛していた人にいきなり捨てられる気持ちなんて!」
感情的になって声を張り上げてしまった。
すると、普段声を張らない私にソラ先輩は驚いたのか答えが返ってくるまで間が空いた。