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イケないキミに白い林檎を
第8章 仕置き

「最ッ低!」

少しはいい人だと思ってたのに。


「バカ!嫌い!人でなし!」

面倒見のいい先輩って信じていたのに……。


「大っ嫌い!!」

罵声を浴びせながら、拘束されていない足をバタバタと動かして抵抗した。

本性を現したソラ先輩から逃げたくて、自分の持っている体力をこれでもかと費やす。
たまに蹴りがヒットするのに余裕の態度を全く崩さない。


「はいはい、知ってる。そんなこと言っても無駄だから。慣れてるって教えただろ」

「だっで……、ぐっ……。はあっ…、はぁっ……」

考えなしに暴れていたせいで、喉が乾燥して声が枯れた。
短距離を全力で走ったくらい体力を消耗した気がする。

このまま危害を加えられても抵抗する力は残っていない。


バカだ……。私って本当にバカ。

連れて来られる前にどんな手を使ってでも逃げれば良かったのに。

なんだかんだ言ってソラ先輩は助けてくれるって心の奥で甘えていた。

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