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イケないキミに白い林檎を
第9章 元彼

「僕らのことは気にしなくていいって!自分の気持ちを考えなよ」

「そうそう、ゆっくりと心を休ませて。おれなんて今まで女に何度振られたか……。一人目の彼女は……」

「海田、それはもう語らなくていいから」


誰にも責められないことに不安になってソラ先輩に目を合わせると、微笑んで小さく頷いてくれた。

私はここにいていいんだ……。


涙が浮かんできたけれど笑うことができた。


「よし!今日はおれたち男三人が奢るから、風子ちゃんが食べたい物を食べに行こうぜ!何がいい?」

「じゃあ、……焼肉」

「いいねー!肉をいっぱい食べて元気出そうぜ」

「焼肉の食べ放題行こうよ!社会人である海ちゃんの奢りで」

「賛成」

「あ?今日は風子ちゃんを慰める会に変更したんだから、塑羅緒と大地は少しは空気を読んでくれよー」

「みんな、……ありがとう」


その後、久しぶりに高校生の頃のように四人で笑い合った。

女としてではなく、私のことをひとりの人間として見てくれている。

仲間のことを理解してくれる優しい居場所。


チヤホヤしてくれる男の中にいるよりずっと居心地良かった。


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