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イケないキミに白い林檎を
第9章 元彼

「私ね、彼氏に振られて別れたの」


「え!?そうだったの?……からかってごめん」

「まじか!風子ちゃんがそんなことになっていたとは…」

買う物が決まったのか商品を手にした海田先輩とソラ先輩が戻ってきた。


「そんなにショックなことがあったのに、おれ達が気付いてやれなくてごめんな」

「つらかったでしょ?大丈夫、風子ちゃん?」


別れたことを知らせていなかった大地くんと海田先輩が心配そうな顔で私のことを見てくる。

異性なのに同性の友達と同じように思ってくれる彼等。

胸がいっぱいになって泣きそうになり、スカートの裾をギュッと握ってから自分の気持ちを吐露した。


「彼氏の事で頭がいっぱいで、みんなのことや余興のことを全然考えていなかった。……本当にごめんなさい。これからは一緒に頑張るから許してください」

頭を下げて謝罪する。

面倒だと思ってしまったこと、一緒に余興を考えなかったこと。

みんなで先生をお祝いをしようと決めたのに私は自分勝手だった。

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