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イケないキミに白い林檎を
第9章 元彼
胸元に付いている赤い印の場所にそっと手を当てた。
ふたつの想いがすれ違った罪なキスマーク。
どちらが先に消えるんだろう。
「……考えておくね」
セフレになることを保留にして、次の日とその次の日も颯太と会って体を重ねた。
颯太が社会人になってから三日連続で会ってくれるのは珍しい。
一度離れてみて、得ることのできた新鮮さ。
恋人同士だった頃より燃え上がるのは、本当に愛しているからだろうか……。
それとも秘密で禁断の関係だから……?
どちらにせよ私が食べた甘い果実は、苦みがあるものだった。