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イケないキミに白い林檎を
第9章 元彼
痛みを拭ってあげることができるほど励ませる上手い言葉が出てこなかった。
「……ばーか。慰めたいなら、体でしてこい。それともまたセフレにでもなってくれんの?」
「彼女に戻らせて下さい」
切実な願いを言って恥ずかしくなり、視線を真っ白なシーツに落とした。
「贅沢な女だな。おまえみたいな女は過去にいなかったわ」
「ひどっ!まったく、颯太は今まで何人と付き合ってきたのやら」
皮肉を言うと素直に返事が返ってくる。
「今だから教えてやるけど、十を超えてから数えるのをやめた」
「へえ……。そんなにいたんだ」
彼女になる前も、なってからも知らなかったから唖然とする。
経験豊富って言うのは知っていたけど、こう言う人が私の彼氏だったんだと改めて思う。
数える価値もない女のひとりに私もカウントされていたのだろうか。
「とりあえず彼女と別れるまでもう少し待てるなら、復縁するのを考えてやる。その間、セフレにでもなるか?」
つまり当分の彼女は玲亜さんで、私はまだ格下のキープということ。