この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イケないキミに白い林檎を
第10章 告白
「んー、ねむっ……」
今日はまだ木曜日。いつもより朝早く目が覚めてしまった。
颯太に付けられたキスマークはまだ消えず、あの返事も決められないでいた。
キープ兼セフレになり奪い返すか、それとも……復縁を諦めるか。
どれを選んでも、傷がつかない道はなさそうで頭を悩ませていた。
こんなに迷うって心を搔き乱すとは、恋は厄介な病気だ。
小さな溜め息をつき、寝返りして枕元に置いていたスマホを見るとメッセージが一件あった。
【お久しぶりです。よかったら今夜会いませんか?】
あ……、樹さんだ。
ソラ先輩にお仕置きされてから樹さんにメッセージを送っていないし、会ってすらいなかった。
――――『風子ちゃん。……好きですよ』
前に抱かれた時、樹さんに言われた好意を思い出す。
恋人でもなく友達でもない、割り切った大人の付き合い。
会えばまたセックスをするに決まっている。
でも少しでも好きでいてくれるなら、セフレとして付き合っておくのも……。
――――『もう自分を汚しちゃだめだよ。乙羽さんは、素直でいい子なんだから』
よこしまな考えを止めるように、ソラ先輩が言ってくれたことが脳裏を過った。
「あー、もう。ホント、何なの……」
顔にかかった髪を乱雑に払ってからスマホを弄る。
【いいですよ】と樹さんにメッセージを返信して今晩会うことになった。