この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イケないキミに白い林檎を
第10章 告白
私も好きだったけど、この好きは違う好きで……とか言ったら勘違いさせてしまいそう。
好きだけど、愛してなかった……これもなんか違う。
それ以外に傷付けてしまいそうな返事しか思い浮かんでこない。
答えに迷っていると着信音が鳴り、樹さんはスマホを取り出して画面を気弱そうな顔で見た。
「すみません。ちょっと電話に出てもいいですか?」
「どうぞ」
樹さんは私に軽く頭を下げてから掛かってきた電話に出た。
「はい。……ああ、サヤちゃん。……今度は日曜日に……」
また他の女と話している。
うんざりして駅の近くを行き交う車をぼんやりと見ていた。
セフレが複数もいる男なんだから別れを告げて正解だし、はっきりと好きじゃなかったって言えば良かった。