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イケないキミに白い林檎を
第10章 告白
「颯太とやり直すことにしたの……?」
「彼女に戻れるか分かりませんけど、別れるまで待っていて欲しいみたいで……って、今回は自分を汚してるとか口出しされる筋合いはないですからね」
「うん。分かってる」
大魔王の姿はどこかへ消え去り、冷静に戻ったソラ先輩。
安売りすることを反省したと宣言したのにこの言い訳。
私に呆れてしまったのか、三回目のキスマークを付けることはなかった。
「私って、最低ですよね」
「…………」
「颯太と付き合っていた頃は、誰かを傷つけたくないからってソラ先輩と浮気することを選ばなかったのに……。結局、玲亜さんから取り戻そうとずるい手を使ってしまいました」
軽く握った拳を膝の上に置いて、そこに視線を移した。
この手は、この身体は、どれだけ汚れてしまったんだろう。
無暗に走った結果、いつの間にか真っ黒に染まっていた。
「本当に取り戻したかったら、もっと傷付く覚悟をして進み続ければ」
「っ……」
厳しいことを言っているようで、認めてくれるような助言。
罪悪感で圧されていた良心をぐさりと刺激する。
「……でも本音を言うと、乙羽さんが傷付く姿をこれ以上見たくないかな」