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イケないキミに白い林檎を
第10章 告白

「ご名答。乙羽さんにとっては悪くない条件だと思うけど」

悪くはないけれど、フェアではない。明らかにソラ先輩の方が不利。

こんな博打を打つなんて何を考えているんだろう。
でも三ヶ月間付き合えば潔く諦めてもらえて、腐れ縁にもならなくて済むってこと。


顔立ちとスタイルもいい、おまけに私に甘くて優しい文句のない相手。問題なのは、二重人格だけど。
今まで散々助けられたし、お願いを聞いてやるのも悪くない。


ソラ先輩と付き合う一番のメリットは、颯太がもっと嫉妬して私を追いたくなるということ。

大きく深呼吸をした後、決めた答えをソラ先輩に告げた。


「分かりました。彼女になるのは、三ヵ月だけですよ。さぞかし痛い思い出になるのを覚悟して下さいね」

「ありがとう。これからよろしくね、乙羽さん」

呆れ返ってジト目になっている私に、右手を差し出した幸せそうに笑うソラ先輩。

なぜ律儀に握手……。

疑問を抱きながらも手を取って軽く握ると、しっかりと握り返された。


こうして始まった半強制的な契り。
期間限定の彼氏は、今まで関係を持った男の中で一番クセのある人。

元カレの従兄弟なんて好きになるはずがないけど、これは颯太を取り戻すための賭け。
そのためにソラ先輩をいいように利用するんだ。

でもこんな歪んだ交際、前途多難に決まってる。

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