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イケないキミに白い林檎を
第11章 片想い
颯太のアパートに行って数日が経った頃。
やっとソラ先輩から連絡が来て、一緒にご飯を食べに行った。
「乙羽さん、久しぶり。この前は、先に帰ってごめんね」
「いえ……。気にしないでください」
あの状況は、目の前でこれから寝取られますと言っているようなものだった。
それでも傷付く覚悟をしたソラ先輩は、何もなかったかのように私に振舞っていた。
だから、私もあの日にあったことを何も言わなかった。
今までは颯太のことを相談できていたのに話せなくなり、近くなった距離が一気に遠くなる。
それから溝があいたまま、何も進展せず時間だけが経っていった。
まるで、この関係に終わりを告げているように……。