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イケないキミに白い林檎を
第11章 片想い
「私の元カレは馬鹿だなって……」
「可哀想だろ、そこは。……でも風子のおっぱい柔らかくてすげー癒される」
抱き締めた時に丁度当たった胸に、颯太が休むように顔を埋めた。
「まったく、エッチなんだから」
「……玲亜とはすぐには別れられねえけど、風子のことが一番好きなのは信じて欲しい」
………。
「別れたくないなら諦めないでちゃんと話し合ったら。颯太は玲亜さんのことがまだ好きなんでしょ」
「……ああ」
颯太は私の胸に顔を埋めたままで、視線を合わせようとしなかった。
口では私のことを好きと言えても今すぐ玲亜さんと別れようとしないのが答えなんだろう。
私も馬鹿だ。
復縁したいと思っていたのに、自分を傷付けた颯太と玲亜さんを応援するようなことをなぜ言ってしまったのか。
絶好のチャンスだったのに、切り札も使わなかった。
きっと、ソラ先輩に縛られているせいだ……――――