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イケないキミに白い林檎を
第13章 秘密の行為
「えっ、風子ちゃんと付き合ってる!?ちょっと待って、なんでみんなは驚かないの?」
みんなの前で事実を告げると大地くんだけ困惑した表情を見せていた。
「塑羅緒が風子ちゃんのことを好きなのは、前から気付いていたからなー。付き合ったのも莉乃から昨日聞いたわ」
終いにはあくびをしながら言う海田先輩。
「それじゃあ、僕だけ知らなかったの!?……ともあれ、おめでとう。二人がくっついて僕はすごく嬉しいよ。でも……、彼女がいないの僕だけじゃーん!」
こうして余興の練習の合宿は無事に終えた。
別れ際に莉乃さんがニコニコした顔で私へ言い寄ってくる。
「今度、ダブルデートができたらいいね。カノカレ同士仲良いし、すごく楽しいと思うの」
「ダブルデート……」
その約束の日が来るまで私はソラ先輩と付き合ってるのかな……。
「それいいわー。莉乃の馬鹿みたいにながーい買い物に付き合わなくて済む……いてっ!」
余計な事を言うなと海田先輩の足を踏む莉乃さん。
海田先輩は既に尻に敷かれているようだ。
「莉乃、そのくらいで怒るなって」
「帰りにスーパーでの買い出しに付き合ってもらうから」
「へいへい……」
二人を見ているとお似合いだと思った。
幸せそうに笑っているカップルが微笑ましくなると同時に、大きな罪悪感が押し寄せる。
私はこう言う幸せを壊そうとしていたんだって。
壊される痛みも知っていたはずなのに……――――