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イケないキミに白い林檎を
第14章 それぞれの愛
「また浮気か。いつまで経っても治らない病気だな」
「オレと別れて寂しがってたみたいだからちょうどいいと思ったんだよ」
「ふざけるな!乙羽さんを何度傷付けたら分かるんだよ!」
血相を変えたソラ先輩が颯太の襟元をグイッと掴む。
こんなに本気で怒っている姿なんて今まで見たことがなかった。
「今までどれだけ悩んで苦しんでいたか颯太は分かろうともしなかっただろ!」
「ソラ先輩……!」
悪化しそうな雰囲気を止めるように声を上げると、ソラ先輩は不満そうに離して引き下がった。
それでもまだピリピリとした空気は続く。
「チッ、塑羅緒こそいつまであの過去を引きずってんだよ」
過去……?