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イケないキミに白い林檎を
第14章 それぞれの愛
目の前に現れたのは、一ヶ月以上会っていなかった颯太だった。
和やかだった空気が張り詰める。
「よお。なんでお前らがここにいんの?こんな何もないところでデートか」
「高校の先生の結婚式に出席してたからこの辺に来てたんだよ」
「へえー。だから風子はいつもより小綺麗な格好してるのな」
颯太と目が合ったけど視線を逸らす。
久しぶりのせいで、どんな顔をしていればいいか分からなかった。
黙っていると颯太が私のところまで歩幅を縮めてくる。
「やっと仕事が終わって今帰りなんだよ。疲れたから癒してくれねえ?」
そう言って背後に回って遠慮なく胸を揉む。
「颯太やめて…、こんな所で……」
「いいだろ、塑羅緒以外は周りに誰もいないんだし。大体、風子があのままセフレになってくれなかったからすげえ溜まってんだけど」
その一言で私の鼓動はドクンと大きく鳴り、ソラ先輩の表情から明るさが消えた。
「えっ、今なんて言ったんだよ……」
「あ?聞こえてなかったのか?玲亜と別れるまでセフレとして付き合ってやろうとしたけど風子が拒否したんだよ」