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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
「あ?勝手に決めんな。可哀想だから友達に戻ってやるよ。……風子とは縁を切りたくねえしな」
「颯太……。ありがとう」
これからは仲の良い友達として颯太を見ていきたい。
また男として好きになる可能性があるのかは分からないけど。
完全に離れたくないのは私もソラ先輩のように、人として颯太のことを好きだからなのかな。
自分勝手で浮気性だけど、向き合える素直さを持っているから嫌いになんてなれなかったんだ……。
電車に乗って帰るために駅へと戻る時、光の絨毯のようなイルミネーションが広く輝いているのが見えた。
何組かのカップルもそれを眺めてロマンチックに楽しんでいる。
手を繋ぐことのない私と颯太はそれを遠目に視界に入れた。
「今日一緒に出掛けてみて、おまえの好きな物とか全然知らなかったことを思い知った。
……オレは風子のことを何も分かろうとしていなかったんだな」