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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと

「ちょっと、なにするの」

ぐしゃっとなった髪を直している時にひやりと手に当たったのは雪。
天気が崩れ始めることを知らせるように少しずつ降ってくる。


「でも風子は考えが甘いな。別れてから友達に戻りたいなんて言うやつはあんまりいねえよ」


「うん……。一度でも関係持っちゃうと前のようには戻れないよね……」


今まで体の関係を持った人ともそうだった。
樹さんとは絶縁して、サークルの人とも音信不通。

ソラ先輩に告白された時も友達に戻る選択肢をあげられなかった。


だから、続けるか別れるかの二択しかないわけであって……。


「やっぱり友達には戻らない方がいいよね。颯太も好きか分からないなんて言われた相手と一緒にいるの嫌でしょ」

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