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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと

目を閉じて考えるといい思い出しか浮かんでこない。
たった三ヶ月なのに中身は濃いもので。


二人でご飯を食べに行ったこと、初めて海に行ったこと。

妊娠したか不安だった時に逃げないで向き合ってくれたこと。

傍にいて優しくしてくれて、彼女として可愛がってくれた。

彼氏として文句の付け所がない人。

今まで関係を持った男の中で一番いい人だった。


返事の続きを伝えようとするけど、異様に鼓動がドクンドクンと煩くなってきた。

静まる景色の中、小さく白い息を吐いてから重たい口を開く。



「ソラ先輩のこと好きに……なれませんでした」


「…………」


「三ヶ月間……、私の彼氏でいてくれて……ありがとう…ございました……っ」

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