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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと

颯太との交際を見守ってきてくれたソラ先輩に確認されても心が揺らぐことはない。
この件に関してはスッキリとしていた。


「いいんです。颯太も納得してくれましたし、何より私が……好きなのかもう分からなくなってましたから」

「乙羽さん……」


「だからソラ先輩はこれからも颯太と仲の良い従兄弟でいて下さい。私のせいで二人が言い争う必要はないです」


喜んで貰えると思って言ってみたけど、ソラ先輩にはあまりいい顔はして貰えなかった。


「……気にすることないのに」


「ダメです!遊ぶ友達がいない颯太にはソラ先輩が必要です」

「ははっ、そんな言い方したら颯太が怒るよ。それに俺にとって一番大事な人は違うから」


「…………」


その一番は私……?


面と向かって真っ直ぐ飛んできた言葉と少し長い前髪が掛かりそうな柔らかい眼差しから連想させる。


「一応今日が恋人でいる約束の三ヶ月目だから聞くけど、乙羽さんは俺のことをどう思ってるの?」


「私は…………」


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