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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
なんで…………
どうして振られたのに無理をしてまで笑うの……
別れを告げられて辛いはずなのに最後まで私に優しいの……?
見ていられなくなった私はその場から逃げるように走り出した。
肌にぶつかる冷たい空気。
久しぶりに頬を伝う大粒の涙。
ソラ先輩と沢山の時間を過ごすようになって気が付けば笑うことが多くなっていた。
寂しさを紛らわすために一緒にいただけなのに、共に過ごした時間は心地良くて温かかった。
恋人としている約束の三ヶ月が終わってこんなにも悲しいのは、ソラ先輩に情があったからなんだろう。