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イケないキミに白い林檎を
第16章 わたしのこいびと
三ヶ月で終えるつもりで付き合ったんだからこれで良かった……。
何よりもソラ先輩と颯太がもう険悪にならない。
これからは仲良くいられる。
だから自ら望んで終わりにしたというのに……
私は……
私は…………
「っ……、ううっ……」
呼吸が苦しくなるほど胸がギリッと締め付けられる。
冷たい手でどんなに拭ってもじわりと浮かび上がる涙。
街を一段と冷やすように、混じりけのない白い雪がひらひらと舞い降り続ける。
凍えた肌に落ちるとすぐに溶けて消えていく。
まるで積み重ねたものが一瞬で崩れていくと同じようだった。
暗い夜を煌びやかに照らす青いイルミネーションがあんなにも綺麗に見えたのに今は滲んで見える。
恋人達にとって幸せの聖夜。
ひとりになった私は涙が止まらなかった――――