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イケないキミに白い林檎を
第17章 甘い恋がはじまる時
三が日が過ぎた後。余興のメンバーで打ち上げをする日だった。
断るのはこのメンバーを拒否しているみたいで嫌だから参加することにした。
さすがにソラ先輩と二人きりになるのは気まずいから待ち合わせ時間ギリギリに行く。
今回は誰も遅刻しないはず。
「風子ちゃんやっと来たー」
待ちくたびれていたのか、大地くんが声を上げる。
「遅れてごめんね」
読み通り、皆はもう待ち合わせ場所に来ていて私が一番最後に到着。
予想が当たってホッと胸を撫で下ろした。
クリスマスイブ以来に会うソラ先輩は普段と同じ様子。
大地くんと海田先輩も先生の結婚式があった日と何ら変わりない。
こんな状況になっても居心地が悪い気はしなかった。
恐らく私達が別れたのを大地くんと海田先輩は知らないからなんだろう。
違和感を一つだけあげるとすると、ソラ先輩が私に話し掛けてこないこと。
避けられていそうで私も避けて……。
目を合わせることもない。
前よりもずっと距離が遠くなった気がした。
いつも私のことを気に掛けてくれていたから何となく寂しさを感じる。