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イケないキミに白い林檎を
第17章 甘い恋がはじまる時
少しだけ顔がポッと熱くなって驚く私を前に無表情になる颯太。
「っと言いたいところだが、一旦実家に戻ることにした。来週に引っ越しするから手伝え」
紛らわしさに熱が一気に覚めた。
引っ越しか…………。
私が来ない間に荷造りを始めていたのか、部屋の隅に段ボールが何箱か重なって置いてある。
壁を挟んでたまに聞こえてくる小さな物音。
隣に元カノの玲亜さんが住んでいるから気まずいのもあるのだろう。
こうなったのは私も関係している訳だし断る理由はない。
「今まで何度もお邪魔したし、頑張らせて頂きます」
「頼む。でもそのやる気が違う方だったら良かったんだがなあ……」
この男はまたエッチなことを考えている。
いい加減にそこから離れることはできないのだろうか。
でも颯太が実家に戻るなら会う時間も減りそう。
友達として見ていくには、程よい距離感になるかもしれない。
こうしてやり直せることに満足さを感じていた。
なぜならもう一方とは切ってしまったから……。
だけど関係を絶ったとしても会う機会は残っているわけであって……