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イケないキミに白い林檎を
第17章 甘い恋がはじまる時
「おいおい、いきなり堂々と二股宣言するからだろそれ。ないわー」
「二兎を追う者は一兎も得ずってやつか」
…………。
自身で望んだ事だけど私もそんな感じか……。
大地くんに同情する。
「ソラくんまでそんな事言わないでよ~。どっちのお姉さんも体付きが良かったんだから。それにね――」
引き続き大地くんのマシンガントークに入った。
くだらない内容だけど聞いていると面白い。
私もいつも通りに笑えているはず……。
「あ、店員さんすみません。エスカルゴのオニオンオリーブオイル焼き追加で……うおわっ!!」
大地くんの肘がコップに当たって倒れると水が零れる。
私は大丈夫だったけど、大地くんのズボンの股関辺りが濡れた。
それを見て海田先輩は笑いを必死に堪える。
「お漏らしするなよ……。他のお客さんに見られたらやばいから。おれもう腹筋崩壊する……」
「ほら、これで隠しておきな」
ソラ先輩が大地くんにハンカチを渡した。
「ありがとうソラくん。良かったね風子ちゃん、君の彼氏は優しくて。海ちゃんとは大違い」
「あはは……」
肯定して答えることもできず適当に誤魔化して流した。