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イケないキミに白い林檎を
第17章 甘い恋がはじまる時
「おーい。お酒が飲めないからってそんな顔しない」
考え込んでいたのがバレたのか海田先輩が気に掛けてくれた。
「あっ、……すみません。私も早くお酒飲みたいなー」
「うわー。風子ちゃんは飲兵衛になりそうで僕心配なんだけど」
二人が笑うと同時にソラ先輩がまた笑ってくれた。
見ているとつらくなるけど、仲裁してしまうほど胸が暖かくなる。
私だけに向けてくれた特別な笑顔が懐かしい。
また見たいと思ってしまう。
今回も別れた人に未練たらたらだなんて成長してないな私は……。
少し頭を冷やそう。
「ちょっとお手洗いに行ってきますね」
――カシャンッ!
隣に座る大地くんに退いてもらい通路に出た時、何かが床に落ちた音がした。
気にせず歩き出そうとすると、腕を掴まれてビクッ驚く。
「はい。……落としたよ」
…………!