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イケないキミに白い林檎を
第17章 甘い恋がはじまる時
ラストオーダーに近づいた頃。
まだ続くと思っていた打ち上げの途中、ソラ先輩と大地くんが荷物を持って席を立つ。
「僕はもうすぐバスの時間なので帰りまーす。またこのメンバーで集まろうね」
「は?今日は二次会やらねーの?」
「俺も用事があるから帰るよ」
どんな用事……?
いつも解散するまで皆と一緒にいて先に帰ることなんてないのに……。
「ちょっと待てよ!おまえら帰るの早ッ!!」
大地くんとソラ先輩はテーブルにお金を置いて出て行った。
嵐が過ぎ去って行ったように静かになる。
そして海田先輩と二人きり。
ただの仲良しメンバーの一人とは言え、お酒が入っている。
彼女持ちだし、無駄に緊張してしまう。
「まったく、塑羅緒は彼女の風子ちゃんを置いて行きやがって。……まさか喧嘩した?」