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イケないキミに白い林檎を
第1章 浮気
泊まっていたラブホテルが見えなくなるところまで歩いてやっと一息つく。
ごめんなさい。
雲一つない晴れ空を見上げて心の中で唱えた。
今日は彼氏の家に遊びに行く約束をしていた日。
久しぶりに顔を見て、キスをして、抱き締めて楽しく過ごすつもりだった。
恋人として一番重要なルールを破ってしまったわけだけどせめて会う約束は守りたい。
沈んだ気持ちで電車に乗り、彼氏の住むアパートへ向かった。
他の男に抱かれた後に本命の男に会いに行くなんて最低だ。
まさか自分がこんな酷いことをするなんて思ってもいなかった。
暴露したら怒られて、振られるだろう。
怖いけど、人として謝罪した方がいいのだろうか。
でも本当はこんな事を白状して別れたくない。
結局、墓場まで持っていくように隠すしかないのかな……。
他のことに目を向けることができないほど、脳内がその不安で支配されていた。