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イケないキミに白い林檎を
第1章 浮気
アパートに着いてインターホンを押すとすぐに彼氏がドアを開ける。
会うのは一週間ぶりだった。
「遅い。九時に来るって言ってただろ。もう昼だぞ」
彼氏の緒方 颯太(オガタ ソウタ)。
私より二つ年上の二十一歳で会社員。
赤みを帯びた茶色いストレートヘアに、キツい目付き。
モデルのようにスラリとしてるのに程よい筋肉のつき具合。
女友達が多くてかなりモテる。
そんな倍率の高い人が私の初めての恋人。
「ごっ……、ごめんなさい」
「入れよ」
「お邪魔します……」
中に入ると相変わらず足の踏み場のない散らかっている部屋。
雑誌は無造作に置かれているし、空のお菓子の袋もゴミ箱に入っていない。
おまけに煙草の吸殻も灰皿に山のように乗っている。
一週間前に来た時に、掃除して帰ったのにまた元通り。
私が掃除をしないと、この部屋は汚いままだった。
「まずは掃除からだね。ゴミ出しくらいちゃんとしなよー。確か月曜日だっけ?」
「そんなのはどうでもいい」
後ろに立った颯太が大きな手で、私の身体を欲しがるように触ってくる。