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イケないキミに白い林檎を
第20章 ふたりの嫉妬と秘密の関係
一生懸命に洗ってくれる姿を見て気付いた。
颯太と付き合っていた頃、玲亜さんの存在を知った時の私に似ている。
恋人を奪われたくない焦りと自分を見て欲しい気持ちで不安になっていた。
こんな時、私がして貰いたかったことは……――
立ち上がってシャワーを手に取り、ソラ先輩が洗っていた所にお湯を掛けた。
「乙羽さん、なんで……」
泡が流れていき、シャワーの水圧とお湯の熱さで当てている所の皮膚が赤くなっていく。
その赤みで口付けされたところも際立たなくなってきた。
「こうやって血行を良くすれば早く消えるかなって思いまして……あちっ」
「ふっ……、火傷しないようにね」
詰めの甘い私を見て控えめに笑ったソラ先輩は、冷水のハンドルを少し捻って丁度いい温度にしてくれた。
「すみません。でも私がキスマークを付けられたいのはソラ先輩だけですから」