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イケないキミに白い林檎を
第21章 愛するキミと見えない報復を
「さあ、ずっと会ってないから分からないかな。おじい様は俺の事が嫌いだからね」
「おまえのとこは金があっても大変だな。……このカレー、見た目はヤバいが味は不味くねえ」
「ふっ、どうも」
おじい様に金……。
耳を疑ってしまうやり取りに絶句する。子供がいる家族で住むような広さのマンションに一人でいるんだから一理あるけど。
つまり、颯太の忠告はソラ先輩と結婚すると何らかの苦労すると言う意味なのだろうか。
でもまだ学生の私たちに言うようなことではないような……。
ますます謎が深まって頭を悩ませる。
そしてずっと座っていてお尻が痛くなってきた。
うう……。ソラ先輩、早くここから解放してー……。
――ドカッ!
痛ッ!なっ、何なの!?
いきなりダンボールの側面に強い打撃を受けた。薄っぺらい壁では衝撃を防ぎきれなくて私の足にも当たる。
思わず声を出してしまいそうになってヒヤヒヤする。
「いってぇ!このでかい箱はなんだ」