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イケないキミに白い林檎を
第21章 愛するキミと見えない報復を
ソラ先輩に賭けてダンボールの中に戻らずベッドの上で瞼を落とす。
きっとこの部屋に颯太が入ってくることはないだろう。
お得意のフォローで、……嘘で何とかしてくれる。
付き合ってから気にしていなかったけど、私にも何か嘘を付いているんだろうか。
大地くんを女装させて私を騙していたことはあったけど。話せばなんでも答えてくれて、信頼してくれている。
両思いになってからまっすぐに向き合えているんだから、こんなことを考えるのは余計な心配だったかな。
左右に転がりながら自分の置かれた立場に幸せを感じていた。
ドタバタと聞こえてくる足音が落ち着いた後、ソラ先輩が戻ってきて部屋に明かりを点ける。
暗闇に慣れていたせいで眩しかった。
「しーっ」っと言って口元に人差し指を当てて、私に声を出さないように指示をしてくる。
「颯太は寝るってさ。だから、これからは二人の時間だよ」
ひそひそと出す声の音量に合わせて私も口を開いた。
「声を出さないでどうやって過ごすんですか。不便過ぎます」
「それなら声を出さなくてもできる遊びをしようか」