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イケないキミに白い林檎を
第3章 裏切り

「次は○○駅に到着します。お降りの方は――」

降りる駅が近付いてきて車内アナウンスが流れる。


話が終わった後、私から顔を背けたソラ先輩。
深刻なニュースが載っている新聞を見ているような真剣な顔つきをしていた。


もしかして私のことを心配してくれているのかな。

まさか恋愛相談にまで乗ってくれるとは思わなかった。


嘘をつくけど本当はいい人……?



「乙羽さん、ブラウスのボタンを見て。掛け違ってる」


「えっ!?」


胸元を見てみたら本当にボタンが掛け違っていた。

周囲の人の見られていたと思うと恥ずかしくなって顔がカッと熱くなった。
そして教えずに黙っていたソラ先輩の肩をポカッと叩く。


「ソラ先輩のエッチ!スケベ!やっぱり最低ッ!」

「いや、見えていないからセーフだと思うけど」

「それでも最低です!」



優しいくせにドジな私を見て楽しそうに笑うこの先輩。

どうしてここまで私に構ってくるんだろう。

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