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イケないキミに白い林檎を
第3章 裏切り
やっと颯太と二人っきり。
彼氏にどれだけ女友達がいてもその中で一番になれる。
これが彼女の特権なんだと思って私は自信を取り戻した。
「夕方までこの辺で遊ぶか」
「うんっ。家に帰るより颯太と一緒にいたいから嬉しい」
「買い物とか付き合うから、見たいお店を見ていいからな」
「本当!?それじゃあ、まずあそこのお店から――――」
一歩前を歩く颯太に手を伸ばして、指を絡ませるように手を握る。
久しぶりにする恋人繋ぎに心が弾む。
しかし、手を握る力は私の方が強くて、颯太の指先は緩んでいた。
「玲亜さんのことはよかったの?」
「いいんだ。オレには風子だけだから玲亜とは遊ぶ気なんてねえし」
「よかった。実はね、さっきすごく嫉妬してた……」
「オレはいつでも風子のことが大好きだから安心しろ」
甘い言葉を掛けて私の安心させてくれる優しくて頼もしい大人な彼氏。
玲亜さんに奪われないようにもっと自分を磨かないと……――