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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
「あれを見て乙羽さんは何か思った?」
「嫌な気持ちになるに決まってるじゃないですか」
誰もが嫌だと答えることをわざわざ聞いてきて苛立つ気持ちが湧き、無意識に握りこぶしを作ってしまう。
喧嘩をするつもりなんて更々なかったのに。
「そうか。……それなら良かった」
反対にソラ先輩は冷静を取り戻そうとしていた。
嫌がる私を前に、なぜ火に油を注ぐようなことを言うのか意味が分からなくてむしゃくしゃする。
「良くないです!どうして私と付き合っても元カノの物を残しておくんですか。まだ未練があるから捨てられないんですか」
責め立てるといつものようにやれやれと宥める姿はなく、困ったような真剣な顔つきで私を見てくる。
ただならぬ気配を察してここまで話を進めたことに後悔した。
できることなら、この話を持ち出す前に時間を戻して欲しいと……。
「あの子は元カノじゃないよ」
「じゃあ、友達だとでも言うつもりですか」