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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
「私よりその人の方が大切なんですね」
答えを待っていても黙ったままで、ソラ先輩は否定すらしてくれなかった。
自分で言った言葉が胸に突き刺さって悲しさが奥底から込み上げてくる。
「プリクラに写ってる女の子を今までずっと好きだったってことですよね?」
「ああ……。そうだよ」
「おかしいです……。これじゃ、付き合っていても悲しいだけじゃないですか」
「だったらしばらく会うのをやめようか」
「っ……――――」
いつも会いたがってくるソラ先輩に初めて拒否されて、何も考えられなくなるほど沈痛した私は荷物を持って。
呼び止められた気がしたけど、後ろを振り向かずに外へ出た。
ソラ先輩にとって私の存在はこんなにも軽い物だったのかな……。
人前では涙を堪えて、自分の部屋でひとりになってから静かに泣いた。
颯太の言ったとおり、私は代わりでしかなかったの……――