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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
花火大会の日が近付いてきた頃。
ソラ先輩と喧嘩してからもう十日以上経った。
解決の目処も立たず、会ってさえいない。
怒りと悲しみの感情は静まっても、それと比例するように自分の気持ちが分からなくなってきた。
離れていてもソラ先輩のことを毎日気にしてしまうってことはまだ好きな方なんだろうけど……。
嫌いにもなれなくて複雑だった。
なんでも受け入れるとは言ったものの、自分以外の女を好きでいる彼氏はもう受け入れられない。
だから別れるという選択肢が頭の中に浮かんでいた。
やっと幸せな恋愛ができたと思っていたのに……。
目を潤ませながら電車に乗っていたら降り損ねてしまった。
まったく、私は何をやっているんだろう……。