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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
ぎゅっと掴んだシャツに温かい涙が少しずつ滲んでいく。
何回ここを濡らしても宥めるように抱き締めてくれるからつい甘えてしまう。
そして受け止めてくれる彼の器の大きさを思い知るばかり。
私を好きでいてくれるから、私も好きという訳ではなく。
人として敬えるところもあるからソラ先輩と一緒にいたいんだと心から思えた。
私の泣き顔を見るように顎を持ち上げて、目が合った後にそっと柔らかい唇を重ねてくるソラ先輩。
一回だけでは離してもらえない。
離れていた時間を埋めるように繋がりを求められる。
角度を変えたりしてその感触を味わっているうちに私の体温は上昇して体の力が抜けていく。
夜空に綺麗に咲いた花火を見るよりも夢中になって何度も口付けを交わした。