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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
「…………」
「ソラ先輩、無視しないでください」
「俺は記憶を失う前のキミのことを教えるつもりはないよ。……何一つ絶対に、ね」
しつこくねだると、また襲われたいの?っと言われてもう一度セックスをすることになった。
どうして教えてくれないんだろう。
知られたくないことでも私にしたとか……?
家に帰ってからも、両親に私の名字が“小神”だったのか聞いてみる。
すると驚いた顔をしてから拒否するように話を逸らされた。
あの女の子が本当に私なのか疑いたくなるけど、ソラ先輩が認めるんだからそうなんだろう。
さらに自分の部屋に行ってから中学時代のソラ先輩との思い出の物がないか探す。
プリクラは切り離してあったんだから同じ物が私のところにもあるはずだから。
でも、いくら探しても何一つ見つからなかった。
それどころか記憶を失って目を覚ましてから手に入れた物しか自分の部屋にない。
覚えることで精一杯で自分がこんなにも空っぽだったなんて気にしていなかった。
私は一体どんな過去を過ごしてきたの……――――