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イケないキミに白い林檎を
第4章 独占


暑い日が続く七月。

クーラーから出てくるひんやりとした風のおかげで、火照った体の熱もすぐに落ち着く。


玲亜さんの存在を知ってから何日か経った。

あの出来事以来、颯太にとって最高な彼女になれるように努めている。


地味と言われたこの外見を磨くためにメイクを勉強して、少し高めでいい化粧品を使ったり、ダイエットもした。

胃袋を掴むために料理の腕も上げて、部屋の掃除、洗濯もしっかりする。


とにかく自分ができる範囲で颯太のために尽くした。



「そういえば来週と再来週の土日、出張だから」

煙草の煙を吹いてから聞きたくない知らせを颯太が言ってくる。


「当分また会えないってこと?」

「仕事だから仕方ねえだろ」


バイトをしたことがあるからお金を稼ぐ大変さは理解している。

でも学生だから社会人がどのくらい大変なのかまだ分っていないけど……。


付き合って間もない頃はたくさん会えていたのに、今は会えない日がほとんど。


寂しい……。


もっと会いたいし、触れていたいのに……。


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