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イケないキミに白い林檎を
第25章 純愛青春は淫らな戯れへ
するとソラ先輩は目を大きく見開いてから笑顔を消した。
「…………」
「だめ……、なんですか……?」
恋人同士なら当たり前のことをお願いしているのに、あっさりと聞き入れてもらえなくてドクンッと不愉快な鼓動が鳴る。
返事を催促して顔を覗くとソラ先輩は動揺を隠すように眉を八の字にして笑った。
「乙羽さんは、乙羽さんだよ」
「どうして呼んでくれないんですか?これから先もずっと苗字で呼ぶつもりですか」
「お菓子とアイスどっちも買ってあげるから行こう」
なんで誤魔化そうとするの……。
はっきりとしないからこそ消えない不安を分かってもらいたくて、廊下へ出ようとしたソラ先輩の腕を掴んで引き止めた。
「私の名前が嫌いだから……?」