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イケないキミに白い林檎を
第25章 純愛青春は淫らな戯れへ
「もう思い出そうとしなくていいよ。今はそんなことよりゆっくり休んで」
ベッドに運ばれて、くしゃくしゃになっていた布団を正して被せられた。
治ったと思うのにまだ病人のように扱われる。
そろそろ帰るねと言ったソラ先輩を布団から顔を出して見つめた。
「私が寝ていた時にお母さんと何を話していたんですか。それに、この体調不良は夏バテって言われたけど記憶に関することなんですよね?」
「乙羽さんのお母さんとは世間話しかしてないし、その体調不良もきっと夏バテだよ」
お母さんもソラ先輩も私にあからさまな嘘を付く。
本当のことから遠ざけて教えてくれない。
このままでは、いつまで経ってもソラ先輩に今の私を愛してもらえない。
もう自力で過去のことを思い出すか、あのことを教えてくれた人に頼るしかなかった。
でもその人には頼っていけない気がする。
リスクが伴うから――――