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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
「……さあな。ただの友達だったんじゃねえの」
「適当に言ってるでしょ」
「本当だ。でも、過去話から遠ざける理由を彼氏にめげずに聞いてみろ。ぶん殴ってでも聞き出すくらいに風子は強くならねえとな」
「確かに風子ちゃんはもう少し気を強く持たないとね」
私の肩をポンッと叩いた莉乃さんがうんうんと頷く。
強くならないと……か。
「じゃあ、オレは帰るわ。あんまり一緒にいると嫉妬深い彼氏に風子が怒られるだろうからな」
「確かにそうなんだけど……」
「ふっ、お友達と美味いものでも食って帰れ」
颯太が財布から五千円札を出してテーブルに置いてから立ち上がる。
振り出しに戻るのかと私が諦めていた時、見守っていた莉乃さんが前のめりになってテーブルに手を付いた。