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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
「待って下さい!卒業アルバムを見て知ったことなんですけど、風子ちゃんの前の苗字は小神でいいんですよね!?」
莉乃さんがしてくれた質問は、私も気になっていたことだ。
じっと見ながら答えを待つ。
熱い視線に耐えられなくなったのか、颯太は小さな溜め息をついた。
「ああ、そうだ。あの事故が起きてから何があったのか知らねえが、再会した時には乙羽になっていて別人かと思った」
それなら、記憶を失った後に私は乙羽になったことになる。
目が覚めた時、お母さんとお父さんは私の親だと教えてくれた。
でも何かがおかしい。
離婚もしていない親の子供が違う苗字だったなんて有り得ない。
そうすると私は――――
店内の冷房はきつくないのにブルッと寒気がしてすごく嫌な予感がした。
「良かったね。あのプリクラの女の子は風子ちゃんで確定だね」