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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
記念日らしいことがあまりできなかったけど、まだお楽しみは残されている。
それは思い出の場所に連れて行ってもらうこと。
失くしたものを取り戻せる機会。
私にとっては嬉しいプレゼントだ。
でもそのデートに行く前にどうしてもやっておきたいことがあって、お母さんに正座をして頼み込む。
「過去のことをもう隠さないで欲しいの」
中学の卒業アルバムを見て知ったことと私がこの家の子供ではないんじゃないかと話をすると困った顔をして溜め息をつかれる。
そして何度聞いても話を逸らして答えてくれなかったお母さんがやっと向き合ってくれた。
「そこまで理解できたのならお母さん達が風子ちゃんを悲しませないように黙ってるのが分かるわよね?」